"ヒトとヒト。ヒトとモノ。ヒトとコト。
昔ながらの長屋が多く連なる中崎町エリア。近年、長屋をリノベーションしたカフェや古着屋が増加しているこの場所において、中崎町らしさをもったサロンをつくることが求められた。
テナントは築年数不明、二階建ての長屋。全体の内装は客層に合わせ白を基調としており、古民家をそのまま生かすというよりは、中崎町らしくポップに空間を変容させていくことを意識している。間取りは手前がミセとしての土間スペース、奥が居住スペースであった。このミセとしての空間は、サロンと中崎町とをつなぐ場であると考え、ショップ兼ギャラリー空間とし、サロン機能は奥側に集約した。土間から数段上がるとレセプションやシンクを兼ねたカウンターが控えており、カフェが集積するこの街のアイデンティティを引き継いでいる。
セット面、シャンプースペースは長屋の増築部分であり、天井が高いことを踏まえ、古民家の屋根構造を現しにすることで高さ方向に変化をつ蹴る構成としている。
セット面にはリノリウムを用いた床材やカウンターを配置。床から腰壁、カウンターまでリノリウムでつながっており、柔らかな印象を与える。
シャンプースペースのタイル壁も角にアールをつけることで、レトロで温かな印象を与える。サロン＋αの機能となる土間スペースを活用することで、中崎町のアイデンティティを引き継ぎながら、ヒトとヒト、ヒトとモノ、ヒトとコトをつなぐ場所としてこのサロンが機能することを目指している。"