"[光][トンネル]住宅街の大通り沿いにあるひとりサロン。セット面一席だけのその空間は、髪を切るときだけに訪れる非日常空間である。ここでセット面へと誘うアプローチを考える。既存躯体により、セット面までの道中に幅２メートルとやや細長い空間が現れる。ここに受付・店販・展示スペースとして機能を挿入する。次にこの空間の天井を下げてみる。
細長い空間は[トンネル]となる。そして、下げた天井の中に照明を入れてみる。この空間は[光]の空間となる。
明るい[光]の[トンネル]をくぐることで、ゲストは奥のプライベート空間へと気持ちを切り替えながら進んでいく。
白く抽象的な「トンネル」とは対照的に、この先にあるセット面、シャンプースペースは壁や天井に木目が使われ、温かみのある空間となっている。このサロンにおける[光]の[トンネル]は、髪を切りに行く非日常に対し、空間を通してそれを体験する装置として機能している。"