円形の待合

受付案内無しでいこうと思います。という言葉からこの計画は始まりました。
徒歩5分程度の場所に本院があり、本計画は本院の離れ的な扱いで歯科医院に加えてエステ機能を併せ持つ形で計画されています。そのような位置付けから本院よりモニター越しにリモート遠隔案内をしようということでした。このような形態の医院（特に分院など）は今後増えていくかもしれない中で、実際に誰にも会わず待つという状況が想定されたので、待合は重要なポイントであると考えました。施主より頂いた必要な機能をゾーニングしたスケッチを元に中央に多くな円形の待合を配し、エステ機能・診察室・パウダールーム・トイレなどをその周囲に配置する形で提案しました。円形は中心を持つので、中心から自分のいる位置が測りやすく安定するという関係が安心感や居心地に良い影響を与えるのではないか、また同時に適度な囲われ間も併せ持つので先に述べた本医院の形態に適しているように感じました。中心をしっかりと意識できるよう中央にはシンボリックなものを配置し、中心が明確に意識できるよう計画しました。結果待合に座って見るとキャンプファイヤーの時のような不思議な安心感や一体感のようなものができ、誰にも会わずに待つという不安感を和らげるのに少しでも作用できたのではないかと思います。