現在では社会情勢の変化、例えば高齢化問題、エイズ問題から感染予防、個性の尊重からプライバシーの保護、そして歯科業界においても医院数の増加による競争激化やインフォームドコンセントといった事象により、歯科医療に求める生活者のニーズも多様化しています。また、診療空間や歯科ユニットもそれにともなって大きく変わっています。
従来のむし歯治療中心の歯科一般から、ホームドクター的一般歯科・小児・矯正・口腔外科・審美・予防等歯科医療サービスの専門性や差別化を患者さんにアピールする必要性が出てきました。そして、歯科診療空間もその専門性をいかに演出していくかが求められるとともに、、患者さんの気持ちが和む快適な空間デザインが重視されるようになりました。また、歯科ユニットにおいても、患者さんとのインフォームドコンセント形成をコンセプトにしたものが開発されております。
これも、より患者さんの視点に立った医療サービスが求められる時代になった現われではないでしょうか。(図3・4参照)
図3:現在の歯科一般の診療空間の事例 |
図4:現在の小児歯科の診療空間の事例 |
専門特化の流れは理美容業や物販業・飲食業といった他業種からも伺えますが、歯科医院に対する一般生活者のイメージはまだまだむし歯治療中心ではないでしょうか。成人矯正としての矯正歯科やインプラント技術などの口腔外科など一般的になりつつある部分もたくさんありますが、予防や審美についての歯科医療サービスの一般生活者へのアピールはまだまだの感があると思います。
最近、若い女性の情報誌に「デンタルエステ」特集記事が頻繁に掲載されるようになりました。「美白ブームで肌が綺麗になったら今度は歯の色が気になって仕方がない」といった女性たちが「ホワイトニング&審美歯科」の情報を求めて動きはじめております。また、若い女性だけではなく年配の方々も「歯のクリーニング」や「口臭予防」のサービスを求めています。それは、ドラッグストアをみても感じられます。従来あまり見受けなかった「ホワイトニンググッズ」や「オーラルケアグッズ」が売り場面積をどんどん広げているのです。
従来の治療(キュア)をメインとした歯科の医療サービスだけでは生活者の満足が得られない時代になったという現れであり、歯科業界にとって大きなビジネスチャンスといえます。高齢化や少子化現象と同時に生活者の予防意識の高まりで、「むし歯」治療を主体とした歯科医療サービスだけではなく、定期的に一生涯通ってもらえる歯科医療サービスの確立が医院経営の面からも必要不可欠だと思われます。(図5・6参照)
図5:歯科医療サービスに求める生活者パーセプション |
図6:生活者の求めるこれからの歯科医療サービス |
最近では、ホワイトニングを主体とした「歯のケア」しか行わない歯科医院や歯だけでなく顔全体を含めた「エステケア」をする歯科医院も現れ、市場のトレンドにもなっております。





