最近、「歯医者さんらしくない歯科医院をつくりたい」と希望される先生が多くなっています。この現象は歯科医院だけではなく医科の病院や診療所においても同様です。これは従来の診療空間や診療形態が患者さんから支持されなくなり、経営を困難にさせる一因と捉えているからです。つまり、医療をサービスの提供者と捉え、患者さんの立場に立った医院づくりを我々設計者に求めているのです。
平成7年度の「厚生白書」ではじめて医療がサービス業だと明記され、「患者は医療サービスを利用するクライアント(ユーザー)である」と、患者中心の医業が注目されてきた現われでもあります。そして、この事例を象徴するかのように「どうせならデザイナーズ病院」という特集記事やタウン誌での医院紹介を掲載した雑誌も数多く出るようになりました。また、美容室・エステ&クリニック特集として美の空間デザインと医療の空間デザインが同時に掲載される場面も多く出るようになりました。
そんな中、歯科においては「美白ブームで肌が綺麗になったら今度は歯の色が気になって仕方がない」といった女性たちがホワイトニングや審美歯科の情報を求め、年配の方々も「歯のクリーニング」や「口臭予防」のサービスを求め動いております。最近のドラッグストアの売り場を見るとオーラルケアのグッズの売り場面積は化粧品の次に拡大しており、消費者のニーズはどんどん変化しているのがうかがえます。
このような状況の中で、先生方も患者さんから選ばれるために様々な医院づくりを模索されているのではないでしょうか。「むし歯」治療を主体とした医療サービスだけではなく、今後は定期的に一生涯通ってもらう歯科医療サービスの確立が医院経営の面からも必要不可欠であり、新しい患者層を掘り起こすために歯科の「診療空間ゾーン」はどうあるべきか、
第1回 美容業界のサロンづくりに学ぶ
第2回 医院の空間ゾーンはこう演出しよう
第3回 「新しい診療空間ゾーン」がもたらすメリット
という流れで、3回の連載にてご提案していくことにします。



