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新しい歯科医院創り



歯科診療の空間はこう演出しよう

 前回は「美容業界のサロンづくりに学ぶ」と題し、歯科業界にとって多くの参考要素をもつ美容業界の、成長要因や今後の更なる業界発展のために、空間デザインがどのような価値をもたらしているかお伝えしてきました。

 歯科医院と美容室では役割や業態は異なりますが、歯科業界も厳しい時代と言われながらも、生活者の立場に立ってみれば、掘り起こすべき宝の山がたくさんあるのではないでしょうか。これから、美容業界のサロンづくりを参考に、現状の歯科医療が今後どのようになっていくか、歯科診療空間はどうあるべきか、過去を振り返りながらご提案していくことにします。

図1:1970年代の明るいイメージの診療空間の事例

 歯科医院における診療空間は、社会情勢の変化とともに変わっております。  1970年代はアジア初の世界万国博覧会が開かれ、モーレツからゆとりの時代へと変化し、歯科ユニットのイメージも形や色が非常に軽快になり、オレンジ色のユニットチェアーが出たのもこの頃です。また、歯科診療空間のインテリアにも色や柄が取り入れられ、冷たく暗い病院イメージから明るいイメージへと変身しました。一方診療形態は、多くの疾病の患者さんを治療するため、先生側の治療効率をいかに上げるかに重点がおかれ、立位診療から座位診療が主流になりました。診療空間も、オープンスタイルのユニット配置が主流でした。(図1参照)

図2:1980年代の動線分離型診療空間の事例

 1980年代になると、社会は量から質へ・モノからココロヘ価値転換が起こり始め、後半には経済のバブル期を迎えました。診療空間も患者さんのプライバシーを重視するため、歯科ユニット間にパーティションを設置する歯科医院が多くなってきました。更には、前折れチェアーの開発にともない、診療空間設計には、診療効率とプライバシー保護の両面を同時に達成する手法として動線分離計画が導入されました。(図2参照)

 この動線分離計画は患者さんとDR・スタッフとの動線を分離した新しい発想で、前記した以外にも様々なメリットを、現在でも診療空間にもたらしております。一部そのメリットを列挙しておきます。

  @危険なクロスプレーがなくなる。
  Aドクターテーブルを動かさずに患者さんを導入できる。
  B子供ずれのお母さんも安心。しかも先生も邪魔にならない。
  C患者さんに見せたくないものを見られなくて済む。
  D患者さんをリラックス気分で誘導できる。